前職の教員時代(といっても2年間だけですが…)、よく聞かれた質問ランキング2位は「なんで勉強しなきゃいけないんですか?」「勉強ってどうやるんですか?」でした。(ちなみに1位は「彼女いますか?」でした。笑)
今回、なぜこのお題にしたかというと、8月はトレーニングの外部研修をいくつか受けに行き、改めて勉強することの意味や勉強方法について考えたからです。
勉強する意味
勉強することの意味は2つ。自分の責務を全うするため、知らないことを知る楽しさを感じるため。この2つだと私は考えます。
運動・スポーツ指導をするうえで必要な知識というのはたくさんあります。運動学、運動生理学、スポーツ解剖学、スポーツバイオメカニクス 等々…。体育の教員でもトレーナーでも職務を全うするためには知識がないといけない。「仕事のための勉強」という視点です。これがまずは大前提として勉強する意味としてあるでしょう。
しかしもう一つ、上記と同じくらい大切なことがあると考えます。それは、知的好奇心を満たすこと。自らトレーニングを行う中で、はたまたクライアントの皆さんの運動指導を行っていく中で課題や疑問は尽きません。「なぜ○○の状態になってしまうのか。」「どうしたら○○ができるようになるのか。」そういった課題や疑問を切り口に、自ら調べ考察し、時には専門家から学び、実践して再度考察するという運動指導のPDCAサイクルを実践しながら、運動に関する知的好奇心を満たしていくことが自発的・継続的に学習することにつながると考えます。
勉強方法
次に勉強方法について。
学生時代、日本史の先生に口酸っぱく「全体の流れで覚えなさい。一問一答で覚えたって全く意味がない。」と指導されました。
当時は一問一答の方がシンプルだし楽じゃない?なんて思っていましたが、今となって流れで勉強すべき意味が分かります。
こと運動指導においては、一問一答でなく全体を流れの中で思考することがより重要だと考えます。
例えば、「お尻を鍛えたい」というリクエストに対して「スクワットをしましょう」と答えるのは一問一答です。お尻を鍛えたい=スクワット、という図式しか頭の中にないので、もしもスクワットを取組んでお尻が効かなかった場合、迷子になってしまいます。
「お尻を鍛えたい」というリクエストがあったとき、まず考えるべきはそのクライアントの現状や身体的特性、動きの癖などを把握し、そのうえでどの種目から始めてどんな順番でメニューや強度を上げていくかという全体の流れを考える、ということが大切です。そして、取り組む中で声掛けや意識すべきこと、種目の難易度などを工夫していくことも同じく大切になります。
最後に
今回、私が伺った研修ではそういった運動指導を全体の流れの中に組み込んで考える、目的に対して順序立てて様々なアプローチを考える、といった内容の研修ばかりでした。
今までにない新たな視点や考え方を得ることができ、とても充実した時間にすることができました。
「進まざるものは必ず退き 退かざるものは必ず進む」と福沢諭吉も150年前に言っているように、今後も謙虚に地道に学び続け、より良質なトレーニングを提供できるよう精進したい、と思った8月でした。